このサイトについて
私と藤子不二雄さんとの出会いはもちろんドラえもんでした。
幼稚園の頃、初めてコミックを買ってもらったのもドラえもんでした。
その頃はドラえもん、パーマン、ハットリくん、怪物くんが、藤子不二雄作品の全てを物語っていました。
ハットリくんの淡々と任務をこなす滑稽さはシュールのほかありませんし、怪物くんは出入りする冷蔵庫が羨ましくてたまりませんでした。
パーマンは、ドジなくせに何でも出来るようになったミツオ君に嫉妬し、ドラえもんは大長編でドラマというものを初めて覚えました。
それから時が経ち、私は藤子不二雄作品以外の娯楽を知り、他のマンガやおもちゃ、そして当時絶大な存在感だったファミコンなどに明け暮れる日々でした。
また更に年月が経ち、うちの近所に本屋が出来ました。何気に入ると田舎では珍しい量の多い本屋で、マンガ好きな私はいつしか毎日足を運ぶようになりました。
本屋が出来た当初から気になっていたのが、マンガコーナーに置いてある、とてもマンガとは思えない分厚さの本。
「不思議街怪奇通り」 藤子不二雄
と、書かれてありました。
もう中学生になっていた私は、藤子不二雄というだけでドラえもんやパーマンの作品を連想し、「卒業したマンガの類だな。。」と、勝手に感じていました。
ところがそのイミダス(死語)程もある分厚い本は、月日が経ってもいつまでも本屋からなくなりませんでした。
マンガコーナーにある、意味不明なタイトルの分厚い本に、誰も興味を示さなかったのでしょう。
私はある時、それほど気になっていたと言うわけでもないのに「不思議街~」を手にとって、ビニールがかかっていたので中は見えなかったけれども、なんとなくレジに持って行って購入しました。本当に、何となくでした。
家まで徒歩10分。家に帰って早速読んでみました。怪物くんのようなものを想像していたのですがとんでもなかったです。
最初の作品は「明日も日曜日そしてまた明後日も….」
いきなり大物です。
今でこそニートや引きこもりという認知され、一般化していますが、30年前の中学生には、そのような現実が、これから大人の階段を歩んで行く人生に、このようなパターンがあるのかと、ひどく衝撃を受けました。
それからは「不思議街?」を一気に読了。色んなジャンルの、まさに異色な短編達に、完全に虜になってしまいました。
今までのマンガは勧善懲悪が当たり前でしたが、「黒ィせぇるすまん」には、その常識を根底から覆されました。
「明日も日曜日~」を読んだ衝撃から四半世紀が過ぎ、世の中の様相も随分変わりました。
しかし未だにこの衝撃が忘れられずにいます。あの当時に受けた衝撃を今思い出すと、子供と大人の真ん中ほどだった私にとって、麻薬のような一冊でした。
大人になってから読むのと子供の時に読むのでは印象も違うかもわかりませんが、このサイトを立ち上げ、少しでも素晴らしい作品を多くの人に気づいていただき、私がくらった衝撃を同じ様に味わっていただき、「やっぱり藤子不二雄は天才だわ」と、感じていただけると嬉しいです。