宇宙飛行士が不時着した謎の星には生命体が。
なんとその星で暮らしている人間は「家畜」だった。
個人的好き度:
★★★★☆
著者
藤子・F・不二雄
発表年
1969年(昭和44年)
初掲載雑誌
小学館 「ビッグコミック」
所感
この作品は、人間の価値観が絶対ではないことを痛烈に突きつける作品です。主人公が不時着した惑星では、人間が「家畜」として扱われ、牛ににた生物がその星最高の知的生命体として生きています。
家畜として扱われる人間の最高の栄誉は、最高の状態で牛の食卓にあがること。
特に衝撃的なのは、ヒロインのミノアが自らの運命を喜んで受け入れている点です。彼女にとってそれは当然のことであり、誇らしいこと。
この文化間の倫理観の完全な相違が、私たち読者に強烈な問いを投げかけます。我々が動物を食すのと同様に、彼らにとって人間を食すのは自然な行為なのです。
主人公がミノアを救おうと奮闘しても、牛達には彼の行動が全く理解されない「分かり合えなさ」も、この作品の核です。言葉は通じても、生命や倫理に関する根源的な認識が異なるため、対話が成立しない。これは、異文化理解の難しさ、そして私たちの「常識」が実は極めて相対的なものであることを痛感させられます。
読後も深く考えさせられる傑作です。
掲載書籍
藤子・F・不二雄SF短編コンプリート・ワークス 愛蔵版(1) (書籍扱いコミックス単行本)
藤子・F・不二雄SF短編コンプリート・ワークス(1) ミノタウロスの皿 (ビッグ コミックス)
藤子・F・不二雄大全集 SF・異色短編 1
ビッグコミック×藤子・F・不二雄SF短編集 上巻 (ビッグコミックススペシャル)
藤子・F・不二雄SF短編集1 ミノタウロスの皿
ミノタウロスの皿 (小学館文庫―藤子・F・不二雄〈異色短編集1〉)
藤子不二雄SF全短篇 (第1巻) カンビュセスの籖
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